電車に乗って遠出する時の「何か読むもの・旅の本」。
ここしばらく岩手に出かけるときは、より道する仙台でその1冊をみつけて、
花巻までの移動中に読書するのがひそやかな楽しみでした。

9月の花巻にでかけたときの「旅の本」は、
『日日是好日 ~「お茶」が教えてくれた15のしあわせ~』
 森下典子 新潮文庫

「にちにちこれこうじつ」と読みます。
ずっと「ひび・・・」と勘違いしていたので、ひとつ賢くなった。
ちょうど樹木希林さん逝去のニュースをみていたので
この帯の写真が目にとびこんできたのでした。

初版の単行本の発行が平成14年 文庫版になったのが平成20年
今回手にしたのは平成30年で24刷。ロングセラーの作品です。

そしてこの10月に映画化されたということでの帯の写真です。

茶道で感じた作者のことばのひとつひとつを、よく味わっていたい本でした。
それで一気読みしないように気をつけて(笑)、ゆっくり読みました。

茶道のこと・・・私も毎週土曜日習っていた時期があるんです。
近くの幼稚園で。小学校から中学校まで。
なので、こどもだった私と、この本のお茶の世界はちがうのだけど、
主人公が土曜日のおけいこの日になるとときどき「でかけたくないな~」と
もじもじなやんでいることや、
でかけると必ず「来てよかった」と心から思っているところなど、
そうそう、同じ!と、ものすごくうれしくなったのです。
そしてなんといってもでてくるお菓子に「おいしい」と思うところ。いいです♪

主人公は、先生のことばや、まなんでいく所作、
そして茶道というものぜんたいから、(人生の)いろんなことに気付いていくのですが、
それはどうぞ実際に読んでみてくださいね。

欲を言えば、帯の写真のパワーがつよすぎて、
登場人物のお二人の顔が、この映画のお二人になってしまったのですが
(それはそれで、私の印象にあっていたのでよかったのだけれど)、
であったことのない作者「森下さん」の印象でも読んでもみたかったな。

だけど人の出会いと同じく、本との出会いも一期一会。
今回の旅でであうべくして出会った1冊でした。

ちなみに7月の旅の本は森見登美彦さんの『ペンギンハイウェイ』でした。
旅の本は映画の原作になることが多い・・・ような、このごろ。